溺愛スパダリフラストレーション
「…………プリンス、か」
「あれー?珍しいね夏目がプリンスに反応するなんて」
「そう?」
「確か夏目ってプリンスと幼馴染みなんでしょ?」
「えっ、そうなの!?私プリンスとお近づきになりたい!」
「あんたはいっつもプリンスに突撃してるでしょ」
ころころと移り変わる話題にほっとしつつ呆れつつ、窓の外に視線を向けた。
(あー、帰りたい)
それは長年の勘であり、臭いものには蓋をしたい精神でもあり。
徐々に大きくなるざわめきは、こちらに近づいてきていることを示していて、同時に教室内の人たちのボルテージも上昇していた。