ねぇ先輩、名前をよんで。
「雑用なんて自分でやるよ。
せっかくだからゆうちゃんとしか出来ないことがしたくてさ
ずっと水族館には行きたいなって思ってんだ。
だからゆうちゃんが一緒に行ってくれたら嬉しいなって」
「い、行きましょう!」
私としか出来ないこと……。
嬉しい。
こんなの、罰ゲームでもなんでもない。
ただただ私が嬉しいだけだ。
まさか先輩と水族館に行く日が来るなんて思わなくて、
私の頬はほころびっぱなしだった。
「今度の日曜日とかどうかな?」
「はい、空いてます」
私は元気に頷いた。
休日に先輩と会えるなんて初めてで、
それを思うとその日は嬉しくて眠れなかった。
ドキドキして、ずっと目が冴えていて、
数日先のことなのに、どんな服を着て行こうかとか、
先輩はどんな格好で来るのかなとか、
そんなことばかり考えていた。