ねぇ先輩、名前をよんで。
そして日曜日ー。
女の子らしい花柄のワンピースを着て、
私は待ち合わせ場所に向かった。
最寄駅にある時計台は
定番の待ち合わせスポットになっていて、すぐ先輩がいることが分かった。
「先輩、お待たせしました」
「ううん、行こうか」
先輩はラフな服装で
足が細いからかシュッとしたジーンズがよく似合っていた。
「なんか先輩が私服だと変な感じです」
「俺も、ゆうちゃんの私服姿はじめてみたよ」
こんな女の子らしい格好したのは初めてだけど。
恥ずかしくて先輩から目線を逸らすと
彼は柔らかく笑って言った。
「可愛いね、よく似合ってる」
「ありがとう……ございます」
すごく嬉しかった。
はたから見たら、私と先輩はカップルみたいに見えているのかな……。