ねぇ先輩、名前をよんで。
なんて、
そんなことを思ってる私きっとすごい浮かれてる。
水族館は最寄りの駅から10分くらい歩いたところにあった。
チケット売り場でチケットを買おうとすると、
先輩が私の分まで出してくれる。
「あっ……先輩、申し訳ないです」
「俺が付き合わせたんだからさ、払わせてよ」
テストで負けたのは私なんだからいいのに。
「ありがとうございます」
私は先輩に甘えることにして、お礼を言って中に入った。
目の前に見える部屋に入っていくと中は一気に薄暗くなる。
「思ったより暗いですね」
「そうだね」
最初に向かったのはクラゲがいるコーナーだ。
日曜日ということもあってか混んでいて、
ぼーっとしていると先輩とはぐれてしまいそうだ。