ねぇ先輩、名前をよんで。
「あーダチとカラオケ。
飽きたから抜けだして散歩してた」
「戻った方がいいんじゃない?」
「連絡するから平気だろ」
そこまでして一緒にいてくれなくてもいいのに。
なんて思ったけれど、
それが彼なりの優しさなんだろうと思った。
いつも私に確信的なことを突いてくる清水くん。
それがすごく苦手だったけど、
それは自分が経験したことがあるからだった。
同じ道を進む私を止めていてくれたのかもしれない。
でも私は……きっと……。
「おい、遅せぇよ。
カレーでも食いに行こうぜ」
彼の言葉を聞くことなく、突っ走ってしまうんだろう。
走って彼の横に並ぶ。
「カレー?もっとオシャレなところがいい」
「うるせぇ贅沢言うな」