ねぇ先輩、名前をよんで。
「デレってない!」
不思議だ。
私と清水くんがこんな風に話す関係になるなんて。
教室に入るとすぐに清水くんは
クラスの女子に話しかけられる。
「てかさーー!
良太昨日、途中で抜け出すとかヒドイ!」
「悪かったよ」
「大事な用が出来たって何だったの?」
大事な用……?
昨日。
清水くんはカラオケを抜け出して私のところに来た。
たったそれだけのことだったのに、
大事な用だと友達に言っていたことにビックリした。
まあ、そう言っておかないと
っていうのがあったのかもだし……。
ちらりと清水くんを見る。
すると彼は言った。
「かわいいペットの散歩。忘れてたんだよ」