ねぇ先輩、名前をよんで。





そう声をかけると先輩は尋ねた。


「昨日、体調は大丈夫だった?」


「はい、もう大丈夫です」

「そっか……良かった……」


シーンと静まり返る屋上。

ひとこと会話をしてから、先輩との話が上手く進まなくなった。


なんだか話しにくい雰囲気だ……。


やっぱり昨日、

勝手に帰ったこと怒ってたり?


ううん。

先輩は私のこと考えたりしない。


じゃあなんでだろう……。


「今日の数学の授業結構よく出来たんですよ」

「そっか……」


「最近は先生にも褒められて成績の心配はなくなりました」

「うん……」


今日の先輩、

なんだか変だ。


空ばかり見て、何かを考えている先輩。



また優さんのこと?

そんなことを考えていた時、先輩は小さくつぶやいた。


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