ねぇ先輩、名前をよんで。




「なんでそんなこと聞くんですか?」


「俺、楽しいことも出来ないし、

明るい話もしてあげられない。


側にいたって誰かを笑わすことは出来ない」


「何言ってるんですか!

私は楽しいですよ……!」


必死に言っても

先輩はこっちを見てくれなかった。


また何かあったのだろうか。


「昨日、ゆうちゃんが辛そうな顔をしたのは

俺のせいだったんじゃないかなって……。


あの後ずっとゆうちゃんのことばっかり考えてた」


私は先輩を見る。

するとようやく先輩も私の方を向いてくれた。


「ゆうちゃんはさ

どうして俺の側にいてくれるの?」


「……っ」


視線がぶつかって逃れることが出来ない。


「どうして、って……」


初めてだった。


先輩は私に何かを尋ねて来たのは。


< 125 / 250 >

この作品をシェア

pagetop