ねぇ先輩、名前をよんで。
「なんでそんなこと聞くんですか?」
「俺、楽しいことも出来ないし、
明るい話もしてあげられない。
側にいたって誰かを笑わすことは出来ない」
「何言ってるんですか!
私は楽しいですよ……!」
必死に言っても
先輩はこっちを見てくれなかった。
また何かあったのだろうか。
「昨日、ゆうちゃんが辛そうな顔をしたのは
俺のせいだったんじゃないかなって……。
あの後ずっとゆうちゃんのことばっかり考えてた」
私は先輩を見る。
するとようやく先輩も私の方を向いてくれた。
「ゆうちゃんはさ
どうして俺の側にいてくれるの?」
「……っ」
視線がぶつかって逃れることが出来ない。
「どうして、って……」
初めてだった。
先輩は私に何かを尋ねて来たのは。