ねぇ先輩、名前をよんで。
学校生活というその一瞬を楽しく過ごすために
人と仲良くする意味が分からない。
だから俺はいつも、
どこかサボれるところを見つけてはひとりで時間潰しをしていた。
そんな中で
同じように学校に行かずに遊び歩いている不良たちに声をかけられたこともある。
時間潰しのために遊び歩いて、
肝心なことに口出しして来ないこの関係性は
とても気に入っていた。
『ん、タバコやるよ』
『吸ったことねぇんだよな……』
『吸ってみろよ』
仲間が差し出してきたタバコを受け取り、火をつける。
タバコを吸うことにこの時の俺は躊躇いが無かった。
口につけようとした瞬間。
『清水くん……!』
俺は慌てた顔する彼女と目が合った。
それは現国の吉岡先生だった。