ねぇ先輩、名前をよんで。
たばこを吸おうとしているのを見つけて
焦った顔してかけつけてくる。
あーあ、バレちまった。
めんどくせ。
どうせ長い説教でもすんだろ。
そう思っていると、
火のつけたタバコをそのまま素手で取り上げた。
『……っ』
『お前……っ、何して……』
タバコは床に落ちる。
火に触れたのか吉岡の手は赤くなっていた。
大丈夫なのか、コイツ?
『何この人、良太の先生?』
『ウケるんだけど、素手で触ってたぞ』
吉岡は学校にいるイメージでは
大人しそうな感じだと思っていたが……。
『あななたちもこんなことするのはやめなさい!』
自分の怪我は気にせず、タバコを吸ってた仲間を強く叱った。
『ダル……っ』
しぶしぶタバコの火を消した仲間は
吉岡を睨みつけなから帰っていった。