ねぇ先輩、名前をよんで。



変わらない。


そりゃそうだ。

何もしていないのだから。


変えてもいいのか。

くすぶっていた俺が前を向いたって、いいのか。


それから俺は少しずつ学校に行くようになった。


めんどくさいと思っていた人間関係も。


『清水、お前留年すんなよな。

ほらノート貸してやるから』


『どうした?お前今日顔色悪いじゃん』


思った以上に温かかった。


今まで踏み込んで来ない関係を

心地いい関係だと思っていた。


でも踏み込んで来ないということは


あっという間に切れるもろい関係だったんだと

思い知らされた。


俺が外で遊ばなくなっても、

今まで一緒にいた奴らから連絡が来ることは無い。


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