ねぇ先輩、名前をよんで。
何も伝えることなく散った恋は
本当に切なく、苦しいものだった。
未来がないと分かっていても好きになってしまう。
どうしようもない気持ちは俺だって分かる。
でも、だからと言って……。
『清水くんには関係ない……っ』
何もまた
好きな人がいるやつを好きになることはないだろう……。
俺は前世で何かしたんだろうか。
あの日。
寂しげに外を見つめていた橋本を
見てしまったのが、
報われない恋の始まりだった。
ーードキン、ドキン、ドキン。