ねぇ先輩、名前をよんで。
色々考えていると、彼は言った。
「どこか食べに行かない?」
「本当ですか!?」
「うん、今日は早いからね。
せっかくだし」
「行きたいです!」
私は喜んで返事をした。
まさか先輩と一緒にご飯を食べに行けるなんて
思いもしなかった。
「じゃあ出ようか」
先輩とふたりで屋上を出ると、
それぞれの下駄箱に向かい校舎を出る。
すると。
ーーダム、ダム、ダム。
学校が終わり、外のバスケットゴールでバスケをしていた男子のボールが
コロコロとこっちに転がって来た。
私の靴の先にとん、とぶつかって止まる。
それを拾い上げると、声が聞こえてきた。
「すいません」
「あ……っ、清水くん」
声をかけて来たのは清水くんだった。
「橋本……」