ねぇ先輩、名前をよんで。
「先輩が好きなんです……」
溢れ出す気持ちを、
もう止めることは出来なかった。
どうしてあの時。
先輩を好きになってしまったんだろう。
どうしてあの時。
向かった場所が屋上だったんだろう。
最初からこうなるって決まっていたのに
それでも私が好きなるように仕向けたなら
神様はやっぱり意地悪だ。
「ごめん……なさい……っ」
心が苦しい。
「ゆうちゃん」
先輩が私を呼ぶ声を聞くのが、
苦しくて仕方なかった。
ゆっくりと伸ばされた手は
私の頬に触れようとする。
先輩の瞳には私がどんな風に映っているんだろう。
もうここにはいない、
優さんと重ねているのかもしれない。
そう思ったら、耐えられなくて
私は先輩から伸ばされた手を拒んだ。