ねぇ先輩、名前をよんで。
そうかもしれない。
この気持ちはいつまでも私の心に残って離れない。
「それでも会ったら先輩に迷惑になるから……そのままでいいの」
窓の外。
幸せそうに手を繋ぐひと組のカップルがいる。
想いが通じたらあんな風に私も笑えていたかな。
「自分の恋なんだから、自分でかたつけろよ」
「…………。」
「このまま逃げんの?一度も本気で自分の気持ちを伝えずに?」
清水くんは私の隣に並ぶと、そう聞いて来た。
「好きだって、言った……気持ちは伝えた」
「そうじゃねぇだろ」
すぐに清水くんが反論する。
「お前には伝えなきゃいけないことがあるだろう」
先輩は知らない、私のことを。
本当の気持ちを。
「いいから自分の気持ち、ぶつけて来いよ」