ねぇ先輩、名前をよんで。

先輩はそのことを知ったらどう思うかな。


また下を向いてしまうかな。

それとも私を避けるかな。


ずっと、言えなかったことがある。

言えなくて、傷つき続けたこと。


それをずっと

私の心の中に隠すのだって簡単だった。


私がそれを恋だと呼ばなければ、


そこには何も無かったことになる。



そのまま、私がいなくなり

最初から何も無かったことに出来るなら

それでも良かった。


でも……。


「もう会わないって言うなら、

全部想いを伝えて来いよ」


気持ちはずっと報われないまま、

さまよい続けることになる。


それでもいいの？


そうやって自分に尋ねたら時、清水くんは言った。