ねぇ先輩、名前をよんで。
私の恋にもならない恋は今回もまた
実をつけることなく散った。
ぽろりと流した一筋の涙を隠すように、
最後に先輩に笑顔を見せて私は伝えた。
「側にいてくれてありがとうございました」
最後はしっかり笑えていたかな。
ちゃんと先輩のことを見れていたかな。
中学からずっと
想っていた気持ちに終止符を打つ。
先輩と会うのは、これで最後だ。
背中を向けた。
涙が込み上げて来た。
まだだ。
まだ泣いちゃダメだ。
先輩が私を見えなくなるまで
私はただひたすら泣くのを堪えた。
ガチャンと屋上のドアが閉まる。
こらえていた涙はボロボロと流れて来た。
「……っ、う……」