ねぇ先輩、名前をよんで。






あの時。

俺はどうしたら良かったんだろう。


自分が依存していくのを

見ぬふりをして彼女と一緒にいれば良かったんだろうか。


それとも

突き放し続ければ良かったんだろうか。


「ゆう、教えてよ……」


そんなこと言ったって

言葉が返ってくることはない。


いつまでもいない彼女を想って。

いないことを嘆いて、


生きている彼女に依存する。


ずっと、ずっと

目の前のことから逃げてきた。


優と重ねて彼女を見て来たけれど、


良く考えれば、彼女と優は全然違かった。



優はとても強くて、

俺を引っ張り上げるような人。



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