ねぇ先輩、名前をよんで。




でも彼女はずっと、俺の側にいて、


"大丈夫です""まだ頑張れます"


と声をかけてくれるような人だった。


「ごめん……っ、」


全然違うのに、重ねて見て抱きしめて。


彼女の心を押しつぶしてしまった。


「ごめ、ん……」


俺は誰もいない屋上で謝り続けた。


俺と会うのはもう最後だと、

彼女は決意したようなまなざしをしていた。


きっともう、ここには来ないだろう。


この場所で、多くの時間彼女と過ごして来た。


彼女が来てから俺は笑ったり、


前を向く時間が確実に増えたのは確かだ。


楽しかったんだ。


彼女と過ごした時間が。





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