ねぇ先輩、名前をよんで。
4章:過去と、未来。
新しい1歩
太陽の日差しがギラギラと照りつける
7月上旬。
「おはよう、悠」
「おはよう風香ちゃん」
風香ちゃんに挨拶をすると、
私はカバンを置いてまた風香ちゃんの席に向かった。
「どうだった昨日は?」
私は風香ちゃんにそう尋ねる。
すると彼女は嬉しそうに微笑んだ。
昨日。
風香ちゃんは彼氏の誕生日にサプライズをすると言っていた。
ただ風香ちゃんの彼氏はそういうのに敏感らしく、
ここ1週間はバレないか心配だと不安をこぼしていた。
「うん、成功した。
彼氏も全然気づかなかったって喜んでくれたんだ」
「それは良かった!」
私がそう言うと、
風香ちゃんは目を鋭くさせて聞いてくる。
「そんなことより、悠の方はどうなの?
そろそろ好きな人出来てもいいんじゃないの?」