ねぇ先輩、名前をよんで。


それが嫌だったから。


先輩は、私のこと見ていたな?

少しは気にしてくれたのかな?


ううん。

もう私には関係ないことだ。


先輩はちゃんと授業を受けている。


その事実だけで私は救われた。


まだ完全ではないけれど、

自分で頑張っていこうという気持ちになった。



「で、清水くんとはどうなの?」

「えっ」



まあ、そう思えるようになったのは、

自分だけの力じゃないんだけど……。


清水くんが側にいてくれたことは

私にとって大きい。



「最近すごい仲良くない?」

「そ、そんなことはないけど……」



今まで話す時はずっと

教室の外に出て話していた私たち。


まるで秘密の同盟みたいな感じだったけど、

今はそうじゃない。



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