ねぇ先輩、名前をよんで。



「ふふ、それ自分で言っちゃう?」


真面目な顔してそんなことを言う清水くん。


彼の側にいることで

色んな面を知った。


こうして真面目な顔してふざけたことを言うことも、

意外と表情が豊かなことも。


人には見せない顔を持っていることも。


彼を横目に笑っていると

清水くんは私に笑顔を向ける。


「……っ」


彼の笑顔はまぶしくて、

たまにちょっと恥ずかしくなる。


「なぁ、」

「ん?」


すると清水くんは言った。


「もしさ

予定空いてるなら祭り行かねぇか?」


「お祭り?」


「8月の上旬にこの近くでやるらしいんだけど、どう?」

「行きたい……!」


私は迷わずにそう答えた。


お祭りなんて、久しく行ってない。


私の返事を聞いて

ほっとした表情を見せる清水くん。







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