ねぇ先輩、名前をよんで。
ドキドキしながら家を出ると、
清水くんと待ち合わせをした最寄り駅に向かった。
夏休みに入ってから
清水くんとは全然会っていない。
連絡を取ることはあったけど、会うまではしなかった。
歩きにくい下駄がいつもと違うことを実感させて
ドキドキと心臓が早くなる。
なんだか、緊張して来たかも……。
駅前に行くと、
すでに待ち合わせ場所で待っている清水くんがいた。
「あ……」
彼の近くに行く前にあることに気がつく。
「清水くん」
彼もいつもと違う服装であることを。
「よお」
彼は甚平を着てそこで待っていた。
「……っ」
思った以上に似合っていて、
大人っぽく見える。
こういうの着ると子どもっぽく見える人もいるのに、
清水くんってなんでも似合うんだよね。