ねぇ先輩、名前をよんで。



それからお祭りのやっている場所につくと、

一番最初に目に入ったラムネを買うことにした。


冷たく冷えたラムネを買うと、

空いているベンチに座る。


「小さい頃以来だな、こんなの飲むの」


「清水くんはこの夏、誰かとお祭りとか行かなかったの?」



ラムネのビー玉を押し出すと、

ぷしゅっと音を立てて溢れ出す。


私は溢れないようにすぐさま口をつけた。


喉にシュワっと炭酸が広がる。


美味しい。


「全然行かなかったな」


清水くんはそう答えた。


「意外〜だって中学の時もモテたでしょ?」

「まぁな」


うわぁ……。


そうやって自分で言っちゃうところが清水くんらしい。


でも事実なんだろうな。


きっと、今回だって夏休みに入る前に

他の人から誘われていただろうに。



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