ねぇ先輩、名前をよんで。
***
「暑ちぃな……」
すっきりとした青空の下。
夏休みが明けた。
未だに暑さは残り、
ワイシャツが肌にはりつくのがわずわしい。
「はよ」
教室に入りダチに声をかけると、
俺はいつも一緒にいるメンバーの中に入った。
はるかはまだ来ていないのか……。
教室のドアに視線をやった時。
ーーガラ、ガラ。
ちょうど彼女が入って来た。
ぱっと目が合ってすぐに逸らされる。
はるかは俺を一度も見ようとせず、
自分の席についた。
そりゃそうなるよな。
あのお祭りの日以来。
俺たちは連絡を取っていなかった。