ねぇ先輩、名前をよんで。
「てかさ、
やっぱり付き合ってる感じなの?
いっつもはぐらかして教えてくれないじゃーん!!」
普段だったら、
付き合ってるなんて言って
適当にあしらっていたけど、
今はそんなこと出来なかった。
本気だからこそ、
人は適当にしたくないと思うものだ。
「別に。
俺が無理やり誘っただけだし」
だから俺は吐き捨てるようにそう言った。
この話が早く終わるように。
「ええ~!」
周りが騒ぎたてる中、
それを無視して座っていたら
ガツンと頭に何かがぶつかる。
痛てぇな。
眉をひそめて振り返れば、
後ろには泣きそうな顔したはるかがいた。
「何よ、それ……っ」
彼女は小さくつぶやく。