ねぇ先輩、名前をよんで。



苦しんでいたら。


その気持ちばかりが膨らんで、

私は学校の勉強も手につかなくなった。


このままじゃダメだ。


確かめに行こう。


そう決意して、

私は先輩が通っている高校に足を運んだ。


だけど先輩はいなかった。


先輩が校門から出てくる日を

来る日も来る日も待っていたけれど、


出てくることはなかった。


『先輩……どこにいるの?』


今日も見つからない。


もう諦めようか。


そう思っていた時。


『……っ!』


私はようやく先輩を見つけることが出来た。


夜18時頃だった。


辺りは薄暗くがらんとしている中、

先輩はひとり校門から出て来た。


『……っ、せんぱ、い』


先輩を見た時、かすれた声が出た。





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