ねぇ先輩、名前をよんで。
誰がいると期待してたんだろう。
私は何も言わず視線だけ移す。
すると彼は何かを持って出て行った。
忘れ物でもしたのかな?
私がクラスの人に関心を持つことはほとんどない。
だからこそ、
接点が無い人には名前すら覚えられていないような気がする。
「はあ、」
つくづく先輩のことを考えているなあと思う。
こんなこと、絶対親には言えない……。
束ね終えた資料を机の角にまとめる。
「やっと終わった……」
少し休憩してから
資料を先生に提出しにいった時にはもう、18時をまわっていた。
「遅くまですまんな。
気をつけて帰りなさい」
先生に挨拶をすると、
私はすぐに屋上に向かった。
「もうこんな時間……」
先輩はまだいるだろうか。