ねぇ先輩、名前をよんで。




授業が終わるといつもすぐに屋上に向かう私。

こんなに遅くなったのは初めてだ。


心配してるかな。


いや、気にしてないか……。


いつも私が一方的に来てるだけだもんね。


それでいい。


先輩が寂しがっていなければそれで。


階段を登り走って、走ってドアを開ける。


すると。


「先輩!」


そこに先輩の姿はなかった。


いない、か……。


そうだよね。

待ってるわけないんてない。


「春、先輩……」


少し不安になる。


約束をしているから、

先輩はここで一緒に話してくれる。


だからこそ

一度約束を破ってしまったら……


もうここにいなくなってしまうんじゃないかって。


私と先輩の関係は

ものすごくもろい関係だ。



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