ねぇ先輩、名前をよんで。



心臓からドキドキと音が聞こえて安心した。


生きている。


「ゆうちゃんは、本当にいい子だね」


先輩は今度は私の頭を撫でると、

ずっと名前を呼んでくれた。


抱きしめる手が別の人を感じていてもいい。


名前を呼ぶ声が別の人を思っていてもいい。


先輩がもう一度笑ってくれるなら


身代わりの恋だって、いいと思ったーー。











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