ねぇ先輩、名前をよんで。
ある日の帰り道。
ゆうはそんなことを言った。
『そう?そんな気しないけど』
『だって私のクラスの子とか
春のこと見てカッコイイ~って叫んでたよ』
『へぇ、興味はないけど……
優も俺のことカッコイイと思う?』
ちょっとドキドキしながらそんなこと聞いたのに、
優はバッサリと言い放った。
『全然~!
だって子どもの頃から知ってるんだよ。
春なんて小さい頃すぐ泣いてたし、
寝ぐせだって私が直してあげないとヒドいし……
寝起きの顔、クラスの女子に見せてあげたいくらいだよ』
『そんなに言う?
俺超カッコ悪いじゃん』
『ふふっ』
いつまでも幼馴染の関係から抜け出せない。
でもそれでもいいと思ってた。
ずっと側にいられるなら。