ねぇ先輩、名前をよんで。
ずん、と沈んだようにうつむいていた時に、
彼女はそれに気づいて元気を出してと声をかけてくれた。
何があったなんて知らないのに。
彼女は笑顔を見せて俺を元気付ける。
ゆうちゃんはかわいい。
とても優しくて、
傷つけたくない人だ。
でもそんな彼女を俺が一番傷つけている。
「ゆう、ちゃん……」
ごめん、ゆうちゃん。
最低だと分かっていても
俺の方から手放すことが出来ない。
抱きしめてた体が温かくて、
名前を呼ぶと帰ってくるのが嬉しくて、
その笑顔が見たくて俺は……。
「ゆう、」
何度も名前を呼んでしまうんだーー。