ねぇ先輩、名前をよんで。
「あれ?で肝心の清水くんは?」
「……置いてきた」
「え〜!」
風香ちゃんは、目を見開いた。
「清水の人のこと詮索してくる感じが
あんまり好きじゃないんだよね」
私がそういうと
風香ちゃんは驚いた顔をした。
「清水くんが人を詮索?
絶対そんなタイプじゃないと思うよ?」
「なんで?」
「だって清水くんってなんか、
人に関心無さそうだし……
私なんて名前覚えられて無かったんだから」
あんなに私のことズバズバ言って来て?
そんなことある?
感心無いフリして色々見てるんじゃないかな。
少なくとも私にとって彼は
とても鋭い人だ。
「そうかな……」
私がつぶやいたところで
清水くんは、教室に戻って来た。