ねぇ先輩、名前をよんで。
私は小さくつぶやいた。
放課後ー。
授業が終わりすぐに先輩のところに行こうとした時。
担任に呼び出された。
「橋本、ちょっといいか?」
「はい……」
人が少なくなった教室で
先生は私に言う。
「最近テストの点が下がっているみたいだが
どうかしたか?」
私は入試を1番に通過してこの学校に入った。
成績を落とすわけには行かないのだけど、
最近はあまり身が入らなくて
成績を落としがちだ。
「どこか分からないところがあるか?
苦手な教科とか……」
「どこが苦手とかはないんですけど」
正直、気が抜けているような気はしていた。
「そうか……。
先生はいつでもお前の相談に乗るからな、
分からないところがあったら遠慮なく言ってくれ」
「ありがとうございます」