ねぇ先輩、名前をよんで。
ちゃんと勉強しなくちゃな……。
それこそ何のために学校に入ったんだと言われてしまう。
親にも心配されているし、
急に進路変更をした私を応援してくれたのだから
ガッカリさせたくない。
私は深いため息をつくと、
とぼとぼと先輩のいる屋上に向かった。
ガチャっとドアを開けると
先輩はいつものように空を眺めている。
「春先輩」
呼びかけると、先輩はこっちを向いた。
「ゆうちゃん、今日は遅かったね」
「はい。
実は先生に呼び止められちゃって……」
「また雑用?」
「いいえ。
恥ずかしい話なんですけど成績が落ちてるって言われちゃったんです
……勉強しなきゃなって思ってたところなんですけどね」
「あらら、
じゃあここで話してる場合じゃないね」
先輩の言葉に私は慌てて否定する。