ねぇ先輩、名前をよんで。
「ちょっとサボちゃっただけですよ、
どうせ早く帰っても勉強しないし……」
「ふぅん?」
「先輩とのこの時間は私にとって必要な時間ですから!」
先輩と話すこの時間だけは
無くして欲しく無かった。
必死で説得をすると、
先輩はくすくす笑って言った。
「じゃあ勉強しよっか、俺と一緒に」
「えっ!?」
「さすがにさ、俺と一緒にいるからって
ゆうちゃんの成績下げるわけにも行かないし。
今日は図書室に行こ」
「いいんですか!」
まさか先輩がそんなこと言ってくれると思わなくて、
私は思わず立ち上がった。
先輩と屋上以外のところに行くなんて初めてだ。
ウキウキしながらふたり、図書室に移動する。
「あれ、というか先輩勉強出来るんですか?」