君の日々に、そっと触れたい。
「幸せすぎて怖いんだ」
【桜 side】
「やっぱり………夕実ちゃんも好きだったんだね………李紅のこと」
夕実ちゃんと出会った頃の李紅の話を聞いて、第一声はそんな言葉だった。
夕実は否定せずに、静かに微笑んだ。
「でも、どうにもしんよ。桜ちゃんがりっちゃんのこと好きなんは分かっとるし。りっちゃんも桜ちゃんのこと、ほんまに大切に思っとるのもわかっとる。ウチは結局お墓参りにも、連れて行ってやれんかったし…」
だからそれでええ、と夕実ちゃんは満足そうに言った。
「夕実ちゃん………」
「りっちゃんのこと、よろしゅうな。今のりっちゃんの笑顔があの頃みたいに嘘くさくないのは、桜ちゃんのおかげやってウチ思うとるんやから」
「そんなこと………」
李紅の笑顔に救われたのは私の方だ。きっと夕実ちゃんは私を買い被りすぎてるんだと思う。
……でも、
でももしも本当に、私が李紅の笑顔を本物に変えているのだとしたら、それより嬉しいことなんてない。
「よろしゅうな、桜ちゃん」
「………うん。頑張るよ、私」
私に何が出来るかなんて分からないけれど、李紅の笑顔の理由になりたい、という気持ちに揺らぎはない。
だから、頑張ろう。最期まで。
「やっぱり………夕実ちゃんも好きだったんだね………李紅のこと」
夕実ちゃんと出会った頃の李紅の話を聞いて、第一声はそんな言葉だった。
夕実は否定せずに、静かに微笑んだ。
「でも、どうにもしんよ。桜ちゃんがりっちゃんのこと好きなんは分かっとるし。りっちゃんも桜ちゃんのこと、ほんまに大切に思っとるのもわかっとる。ウチは結局お墓参りにも、連れて行ってやれんかったし…」
だからそれでええ、と夕実ちゃんは満足そうに言った。
「夕実ちゃん………」
「りっちゃんのこと、よろしゅうな。今のりっちゃんの笑顔があの頃みたいに嘘くさくないのは、桜ちゃんのおかげやってウチ思うとるんやから」
「そんなこと………」
李紅の笑顔に救われたのは私の方だ。きっと夕実ちゃんは私を買い被りすぎてるんだと思う。
……でも、
でももしも本当に、私が李紅の笑顔を本物に変えているのだとしたら、それより嬉しいことなんてない。
「よろしゅうな、桜ちゃん」
「………うん。頑張るよ、私」
私に何が出来るかなんて分からないけれど、李紅の笑顔の理由になりたい、という気持ちに揺らぎはない。
だから、頑張ろう。最期まで。