御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
(どうしよう、嬉しい……)

容赦なく服を脱がそうとする鷹凪にも、抵抗できなくなってしまう。

ふたりの体を覆うものがなくなり、奏はもう目が開けていられない。

けれど、閉じられた視界に彼がもたらす感触だけがより強く伝わってきて、痺れるような快感に、奏はびくりと体を震わせた。

短い悲鳴のような声を上げ、頭から理性が引き剥がされていくのを奏は生まれて初めて感じた。

「た、鷹凪さ……だめ……」

「なにしどろもどろになってんだ」

「あっ……やめ――」

「からかいがいのあるやつ」

「あっ……あぁ……」

鷹凪の意地悪な攻撃に、奏の息は絶え絶えになる。

誰とも体を重ねたことがなかった奏は、まさかそんなところにまで口づけされるとは思わなくて、恥ずかしさから真っ赤になってしまった。

「あの……た、鷹凪さん……シャワーは」

「おっと、夢中になって忘れてた」

鷹凪が熱めのお湯を捻りだし、奏の体に注がれるようにシャワーヘッドを固定した。

ふたりの体が描く曲線を伝い、シャワーが撫でるように流れていく。

その感触にすら気が触れてしまいそうで、奏は浅い呼吸を繰り返す。
< 125 / 147 >

この作品をシェア

pagetop