御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
ボディーソープの少し甘い香りが二人を包み込み、立ち込めた湯気が視界を曇らせる。

鷹凪が奏の体についた泡を洗い流し――というよりは撫で上げて、その滑らかな感触にたまらなくなった奏は声を上げた。

「だめ……だとおもいます……そんなこと……」

「そうか? 洗ってやってるだけだが」

「うそ、です、わかっててしてるでしょ……」

「お前が気持ちよくないならやめるけど――」

動きひとつひとつに素直に震える体を見て、鷹凪はニッと唇を跳ねあげた。

「気持ちいいみたいだから、やめない」

「……っ!」

滑り込んでくる指に思わず奏は身悶える。膝ががくがくと震えて崩れ落ちてしまいそうだ。

力を失いながらも、支配的に輝く鷹凪の瞳に吸い寄せられた。
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