御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
「――もともと独立を視野に入れて就職活動していたので、大手企業でノウハウを吸収したあとは個人で――」
「それは対外的な名目だな。まるで台本を読んでいるみたいだぞ」
うっ、と奏は口ごもる。鷹凪の言う通りだ。これは外向けの言い訳で、本当は――
「人は嫌いか?」
「……っ」
鷹凪に確信を突かれて奏は押し黙った。背中がひやりと寒くなる。
「図星だな。まぁ、見ていればコミュニケーションが苦手なのはわかる。あらかた退職して家にこもって仕事をしているのもそのせいだろう」
彼の言う通りだった。
奏は極度の人見知りだ。口下手と言えばかわいらしいが、仕事の上ではそれが致命傷になる。
初対面の顧客相手に、スムーズに話を進めていくことが出来ず、威圧的に責め立てられればNOとも言えない。
奏が務めていた営業に即したコンサルタントの仕事においては、口が回らなければ仕事も回らない。
退職し独立したのもひとりの方が働きやすいと考えたからだ。
「親切な人間嫌い。矛盾しているな」
「人間嫌いなわけじゃありません……喋るのが苦手なだけで……」
「同じだろ。相手を恐れているから、喋れない。仕事でなにか嫌な思いでもしたのか?」
「それは対外的な名目だな。まるで台本を読んでいるみたいだぞ」
うっ、と奏は口ごもる。鷹凪の言う通りだ。これは外向けの言い訳で、本当は――
「人は嫌いか?」
「……っ」
鷹凪に確信を突かれて奏は押し黙った。背中がひやりと寒くなる。
「図星だな。まぁ、見ていればコミュニケーションが苦手なのはわかる。あらかた退職して家にこもって仕事をしているのもそのせいだろう」
彼の言う通りだった。
奏は極度の人見知りだ。口下手と言えばかわいらしいが、仕事の上ではそれが致命傷になる。
初対面の顧客相手に、スムーズに話を進めていくことが出来ず、威圧的に責め立てられればNOとも言えない。
奏が務めていた営業に即したコンサルタントの仕事においては、口が回らなければ仕事も回らない。
退職し独立したのもひとりの方が働きやすいと考えたからだ。
「親切な人間嫌い。矛盾しているな」
「人間嫌いなわけじゃありません……喋るのが苦手なだけで……」
「同じだろ。相手を恐れているから、喋れない。仕事でなにか嫌な思いでもしたのか?」