御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
とにかく、奏はぶんぶんと首を振った。いきなり結婚だなんて言われても、さすがの奏もおいそれとYESとは言えない。

「まだ不満があるのか」

「私と吉良さんでは、結婚してもうまくいかないと思います」

性格も、育ちも、考え方も、すべて正反対だ。
彼の強引さを見れば、自分とは合わないだろうことは容易に推測できる。

けれど、鷹凪はきゅっと眉間に皺を寄せた。

「なぜ?」

「……いろいろと。相性が合わないかと」

「……試してみるか?」

不意に鷹凪が立ち上がったから奏はびくりとした。
椅子に座る奏を、ひょいと顔色ひとつ変えず横抱きにしてベッドへ運ぶ。

「き、吉良さん?」

「鷹凪、だ。夫なんだから、名前で呼べ」

そう命令する間に、彼は奏の腰をまたいで、ベッドの上に膝をついた。

「た、鷹凪さん、なにを……?」

「今、お前が言ったんだろう。相性が合わない、と。やってみればわかる」

「やるって……え? え? え?」
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