御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
(送信……と)

やり切った奏はソファに突っ伏した。

メール一本打つのに気力も体力も使い果たしてしまった。
明日はどうしよう。また新しいニュースを探しておかなければ。

けれど、彼のためになにかが出来るのは、なんだか嬉しい。

そんなことを考えていると、携帯端末が震え出してドキリとした。
着信だ。この端末に連絡をくれるのは、母か鷹凪くらいしかいない。

相手が鷹凪であることを確認して、いっそう鼓動が早くなる。
突然どうしたのだろう、メールが迷惑だったのだろうか。恐る恐る通話ボタンを押して端末を耳につけてみると――

『奏? これから時間をとれるか?』

少し早口の鷹凪の声が聞こえてきた。

「はい、大丈夫ですが……」

『なら、迎えをやるからこちらに来てほしい』

「こちらって、どこですか?」

『栃木だ』

「っえ!?」

言うが早いが、篠田がすぐさま車で迎えにきた。
状況をよく飲み込めないまま、軽く身支度を整え家をでる。

鷹凪が現地で待っているとの話だった。今、栃木が選挙区の大物議員に挨拶に行っているそうだ。
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