御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
「どうしてボランティアに参加したの? 政治に興味が?」

(は、話しかけてくる!?)

奏はオロオロとしながら、必死に答えを考える。まるで面接試験のようだ。

「……母の勧めで」

「お母さまはなんて?」

「もっと多くの人と関わって、人の手助けをしなさいと……」

「じゃあ、俺でなくても、誰でもよかったんだ?」

プッと噴き出した鷹凪に、奏は失言だったと気がついて、慌てて首をぶんぶんと振る。

「いえ……あの、吉良さんは……私と歳も近くて、立派でいらっしゃって、学べる部分がとてもあるなと――」

「じゃあ、少しは俺にも興味を持ってくれた?」

「も、もちろん、吉良さんのことは大好きです!」

鷹凪が瞳を大きくしたのを見て、またしても言葉選びに間違えたのだと気づいた。

大好き――これじゃまるで小学生の告白だ。幼稚すぎる。もっとなにか伝え方があっただろうに。

「そ、尊敬してます」

「あははは」

慌てて言い直した奏に、鷹凪はとうとうこらえきれず笑い出す。
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