御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
「でも、奥様も忙しいんじゃ――」
「ここだけの話、美影は妊娠していてな。仕事を引退させようと思ってるんだ」
奏は驚いて美影のお腹に目をやる。
「そうなんですか!?」
「はい。まだ妊娠三か月にも満たないので、しばらく周りには内緒なのですが」
お腹をさすってにっこりと笑う美影。見た目ではまだ妊娠しているとはわからないが、その顔つきは十分母親のものだった。
「美影にはしばらくゆっくりしてもらうつもりだから。相談がてら話し相手になってもらえると助かる」
「よろしくお願いします」
この女性が鷹凪の昔の――そう考えると複雑な心境の奏だった。
大和撫子然とした美影と、精悍な鷹凪、並べばさぞ絵になるだろう。
もちろん、小田桐と並んでも充分見目麗しいお似合いの夫婦なのだが。
「少しずつ慣習としての総理夫人の在り方を理解して、その上で自分に務まるかどうか判断すればいい。このことを鷹凪には?」
「いえ……まだ……」
「そうだな。忙しいあいつに、不要な心配をかける必要はないだろう。奏さんの準備が整ってから、彼に打ち明けるといい」
あとは頼んだよ、そう言って小田桐は妻の両肩にポンと手を置く。
「ここだけの話、美影は妊娠していてな。仕事を引退させようと思ってるんだ」
奏は驚いて美影のお腹に目をやる。
「そうなんですか!?」
「はい。まだ妊娠三か月にも満たないので、しばらく周りには内緒なのですが」
お腹をさすってにっこりと笑う美影。見た目ではまだ妊娠しているとはわからないが、その顔つきは十分母親のものだった。
「美影にはしばらくゆっくりしてもらうつもりだから。相談がてら話し相手になってもらえると助かる」
「よろしくお願いします」
この女性が鷹凪の昔の――そう考えると複雑な心境の奏だった。
大和撫子然とした美影と、精悍な鷹凪、並べばさぞ絵になるだろう。
もちろん、小田桐と並んでも充分見目麗しいお似合いの夫婦なのだが。
「少しずつ慣習としての総理夫人の在り方を理解して、その上で自分に務まるかどうか判断すればいい。このことを鷹凪には?」
「いえ……まだ……」
「そうだな。忙しいあいつに、不要な心配をかける必要はないだろう。奏さんの準備が整ってから、彼に打ち明けるといい」
あとは頼んだよ、そう言って小田桐は妻の両肩にポンと手を置く。