御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
困惑する奏を押しのけて、男は強引に玄関の扉を開き、足もとを覗く。
「その靴は総理のものですか!? もしかして小田桐議員がいらっしゃってるのでは!?」
「え!? 小田桐議員?」
どうしてその名前が? 奏の理解が追いつく前に、男が上がり込もうと体を押し込んでくる。
「失礼します!」
「え、や、ちょっと……」
さすがに上がり込まれるのはまずい、そしてこのなにをするかわからない強引な男が怖い。
けれど、力で押し切ろうとしてくるその男に奏はどうすることもできなくて。
おろおろとしていると、男は突然奏の腕を掴み、言い寄ってきた。
「少しお話を伺うだけですから!」
「や、やめてくださ――」
もみ合う形になり、奏が身を竦めた、その瞬間。
「なにをしている!」
張り詰めた大声に顔を跳ね上げると、エレベータホールから走ってくる鷹凪の姿が見えた。
「鷹凪さん!」
泣きすがるような奏の声に、鷹凪の顔がいっそう険しさを増す。
すかさず奏と記者の間に体を滑り込ませ、記者をうしろへと追いやった。
「その靴は総理のものですか!? もしかして小田桐議員がいらっしゃってるのでは!?」
「え!? 小田桐議員?」
どうしてその名前が? 奏の理解が追いつく前に、男が上がり込もうと体を押し込んでくる。
「失礼します!」
「え、や、ちょっと……」
さすがに上がり込まれるのはまずい、そしてこのなにをするかわからない強引な男が怖い。
けれど、力で押し切ろうとしてくるその男に奏はどうすることもできなくて。
おろおろとしていると、男は突然奏の腕を掴み、言い寄ってきた。
「少しお話を伺うだけですから!」
「や、やめてくださ――」
もみ合う形になり、奏が身を竦めた、その瞬間。
「なにをしている!」
張り詰めた大声に顔を跳ね上げると、エレベータホールから走ってくる鷹凪の姿が見えた。
「鷹凪さん!」
泣きすがるような奏の声に、鷹凪の顔がいっそう険しさを増す。
すかさず奏と記者の間に体を滑り込ませ、記者をうしろへと追いやった。