御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
「明日発売の記事だが、関係者の間にはすでに出回っている。これから続々と記者が押しかけるだろう」

「……どうしてこんなことに」

「……目をつけられていると話しただろう。もしかしたら、俺の支持率を落とすために誰かが仕掛けたトラップなのかもしれない」

「そんな……」

読めば、奏は鷹凪の留守の間に、十回以上も小田桐をこの部屋に引き入れたという。

もちろん、デタラメである。小田桐がこの家を訪れたのは、初めて会った時と美影を紹介された時の二回だけだ。

「奏。聞いてもいいか」

鷹凪が突然改まって、奏に向き直った。

「誠司がこの家を訪れたのは、俺が一緒だった一度きりだ。この二枚目の写真は、なにかの間違いだよな?」

鷹凪の動揺に揺れる瞳が、奏に突き刺さった。
それもそのはず、この二枚目の写真にあたる二度目の訪問を鷹凪には報告していない。

「これは……その……」

やましいことなどないのだが、なにをどう説明すればよいのか困ってしどろもどろになってしまう。

言い淀む奏を見た鷹凪の顔色が、サァっと蒼く染まっていく。
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