御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
「奏、この二枚目の写真は事実なのか?」

「それは……」

「……俺に内緒で誠司と会っていたのか?」

「……ごめんなさい」

でも、決して不倫などでは――そう言いかけた矢先。

「……どうしてだ、奏……」

今まで見せたことのない蒼白な顔色の鷹凪に、でかかった言葉が吹き飛んだ。
信じられないくらい絶望的な表情を浮かべている。

「俺は……奏に愛されているのだと……それは勘違いだったのか? 体を許してくれないのも、ただ初めてで不安なだけなのかと……お前の心は、誠司に……」

「ち、違――」

「誠司には、体を許したのか……?」

鷹凪の悲痛な声が、静かなリビングに響き渡った。
一瞬声を失ってしまった奏だったが、必死に首を横に振って潔白を訴える。

「違う……違うの、鷹凪さん」

「だったら教えてくれ。どうして誠司と会っていたことを俺に隠していた」

「それは……」

とはいえ、小田桐の支援の話を鷹凪に話すのは時期尚早――奏の準備が整ってからという約束になっている。
忙しい彼に余計な心配をかけないためにも。
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