御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
誤解されたまま、ふたりはまた離れ離れになる。

次に会えるのはいつだろう。この報道が収束してからだろうか。

それまで、この辛い気持ちを抱えたままひとりぼっちで過ごすのだろうか、そう考えるととても耐えられる気がしなかった。

いや、それ以前に、この報道は収束するのだろうか。このまま、責任を問われて総理を辞職させられるなんてことは――。

(こんなの、全部、嘘なのに)

テーブルの上にぽつんと残された週刊誌。
その記事が嫌でも目に入ってきてしまう。

総理夫人とライバル議員の禁じられた情愛。求め合うふたりの愛情は激しく果てしなく――よくもまぁそんな嘘が書けるものだなぁと思う。悪意の塊だ。

この鷹凪と美影の写った写真だって――とそこまで考えたところで、ふと疑問が湧いた。

そういえば、鷹凪がどうして美影とふたりきりで会っていたのか、タクシーに乗ってどこへ向かっていたのか、その話についてはなにも聞けていない。

(鷹凪さんこそ、美影さんとなにしてたの?)
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