副社長の一目惚れフィアンセ
思わずぎゅっと握った手が弱々しく握り返されて、目を閉じたままのナオの口角が少し上がった。
「…信じてほしい。
俺は何も知らずにひとりの女性に運命を感じて一目惚れした。
それが詩織の妹でもなんでも関係ない。
明里に詩織を重ねたことなんか一度もない。
俺は『高野明里』のことを、心から愛してるんだ」
ナオが呼ぶ『明里』はとても愛おしそうな声だった。
それだけで私は幸せだと思えた。
ダメな『明里』をいつも支えてくれていた。
いつも私の気持ちに寄り添ってくれた。
大事なこと全部、私は『詩織』にこだわりすぎて見失っていた。
「…ナオ、ごめんね。ちゃんと話をしなくて…
疑うことばっかりで…ごめんなさい」
力ないナオの手に、私の涙が滴っていく。
「よかった、話せて…明里…」
そのまますうっと寝息が聞こえ、ナオの顔はもうつらそうじゃなかった。
つらかったのは、身体が疲れていたからじゃなくて、私のせいだったのかもしれない。
そう思ったらますます涙が溢れた。
「…信じてほしい。
俺は何も知らずにひとりの女性に運命を感じて一目惚れした。
それが詩織の妹でもなんでも関係ない。
明里に詩織を重ねたことなんか一度もない。
俺は『高野明里』のことを、心から愛してるんだ」
ナオが呼ぶ『明里』はとても愛おしそうな声だった。
それだけで私は幸せだと思えた。
ダメな『明里』をいつも支えてくれていた。
いつも私の気持ちに寄り添ってくれた。
大事なこと全部、私は『詩織』にこだわりすぎて見失っていた。
「…ナオ、ごめんね。ちゃんと話をしなくて…
疑うことばっかりで…ごめんなさい」
力ないナオの手に、私の涙が滴っていく。
「よかった、話せて…明里…」
そのまますうっと寝息が聞こえ、ナオの顔はもうつらそうじゃなかった。
つらかったのは、身体が疲れていたからじゃなくて、私のせいだったのかもしれない。
そう思ったらますます涙が溢れた。