副社長の一目惚れフィアンセ
だけど樺沢さんは、真司さんの言葉に何かを確信したように瞳に力を込めた。
「水嶋社長と長い付き合いだ。実子である真司さんのことも聞いていました。
やっぱりあなただったんですね、あの声は」
「声…?」
ここでやっと真司さんの自信満々の表情が少し崩れ、困惑の色を見せた。
戸惑ったのは私たち全員が同じ。
なぜここで『声』というフレーズが出てくるのか、『あなただったんですね』とはどういうことなのか、全くわからない。
「莉乃が今日ここへ来ると聞いて、社長にお願いしたんだ。大切な話があるから同席させてほしいと」
樺沢さんはごくりと唾を飲んで喉ぼとけを揺らし、覚悟を決めたようにポケットからボイスレコーダーを取り出した。
「ぱ、パパっ!なんでそれを」
「婚約パーティーの時、莉乃が『本当ならここに立つのは私のはずだった』と言っていたのが妙に気になってね。
見張りをつけて、しばらく様子を見ていたんだ。
そして、先日部屋から出てきたのがこれだ」
樺沢さんは躊躇いつつも、目をギュッとつぶって再生ボタンを押した。
「水嶋社長と長い付き合いだ。実子である真司さんのことも聞いていました。
やっぱりあなただったんですね、あの声は」
「声…?」
ここでやっと真司さんの自信満々の表情が少し崩れ、困惑の色を見せた。
戸惑ったのは私たち全員が同じ。
なぜここで『声』というフレーズが出てくるのか、『あなただったんですね』とはどういうことなのか、全くわからない。
「莉乃が今日ここへ来ると聞いて、社長にお願いしたんだ。大切な話があるから同席させてほしいと」
樺沢さんはごくりと唾を飲んで喉ぼとけを揺らし、覚悟を決めたようにポケットからボイスレコーダーを取り出した。
「ぱ、パパっ!なんでそれを」
「婚約パーティーの時、莉乃が『本当ならここに立つのは私のはずだった』と言っていたのが妙に気になってね。
見張りをつけて、しばらく様子を見ていたんだ。
そして、先日部屋から出てきたのがこれだ」
樺沢さんは躊躇いつつも、目をギュッとつぶって再生ボタンを押した。